割賦販売法改正を求める決議

クレジット契約は、代金後払いで商品が購入できる利便性により消費者に広く普及している一方で、強引・悪質な販売方法と結びつくと高額かつ深刻な被害を引き起こす危険な道具にもなるものです。

経済産業省は、これまでにも、クレジット事業者に対して、加盟店の実態把握・管理の徹底、悪質な販売店の加盟店からの排除等を求める通達を数多く出してきました。しかしながら、これらの通達が出された後も、絵画レンタル商法事件等の詐欺商法や、悪質リフォーム・呉服の次々販売など、深刻なクレジット被害事件が多発しています。

 こうした現状を踏まえて,現在、割賦販売法の改正が検討されており、来年の通常国会に法案提出が見込まれています。産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会は、本年6月19日付で中間整理をまとめましたが、信販会社の既払金返還責任・過剰与信規制などについては両論併記となっており、実効性ある法改正には、さらに消費者の立場に立った議論が必要です。

こうした観点から私たちは、本日、第27回全国クレサラ・商工ローン・ヤミ金被害者交流集会in滋賀に参加して、あるべき法改正の方向性と今後の取り組みについて議論しました。本分科会での議論を踏まえ、次の2点を中心とした抜本的な法改正を求めます。

  1. 共同責任規定の導入

     現行法の抗弁対抗規定は、信販会社からの支払請求を拒否するにとどまり,既払金の返還請求までは認められないとされています。そこで,現行法の支払拒絶に加え、信販会社の不適正与信防止義務を徹底する動機付けとするため及び被害の回復という観点から,既払金の返還にまで拡大した民事効の導入が不可欠です。

     また、販売契約とクレジット契約とは密接不可分な関係にあることから、一方の契約が無効・取消・解除になれば、他方も同じ効果になることが自然です。このことから、既払金返還規定については、消費者が容易に被害救済できるよう無過失共同責任とすべきです。

  2. 過剰与信防止義務

     現行法第38条は、訓示規定と解されていること、抽象的な内容にとどまること、信用情報機関の照会・登録が不徹底であることなど、同条が過剰与信防止のために機能しているとは言い難いことから、消費生活への影響も十分に考慮しながら、具体的基準による総量規制の導入や違反した場合の民事効の導入など、実効性ある過剰与信防止規定を定めるべきです。


2007年9月30日 第6分科会提案
第27回全国クレ・サラ・商工ローン・ヤミ金被害者交流集会in滋賀 参加者一同