あいうえお】 【かきくけこ】 【さしすせそ】 【たちつてと】
なにぬねの】 【はひふへほ】 【まみむめも】 【やゆよ】 【らりるれろ】 【わ】

チケット金融業者

 代金後払いで大量のチケット(高速券等)を購入させ、これを他店に売却させる形で金銭を貸し付け、一定期間後にチケットの額面通りの代金を取り立てる金融業者。

 そもそもチケットは必要な分だけ購入すれば十分なはずであり、また、まとめ買いする必要がある場合でも、割引価格での購入が通常可能であるから、代金後払いで、しかも額面でチケットを購入する必要はなく、このような取引自体極めて不自然である。

 すなわち、形式的には売買だが、実態は年利数百%もの金利を取る金融(金銭消費貸借契約)であり、出資法違反(暴利行為)、貸金業法違反(無登録営業)のヤミ金融業者である。売買契約は公序良俗違反で無効であり(民法90条)、業者は被害者に代金を請求できない(不法原因給付・民法708条)のに対し、被害者は既払代金の返還を請求できる(不当利得・民法703条)。

山田治彦


帳簿の保護義務と閲覧請求

 サラ金の帳簿の保存義務は、商法上は10年、貸金業法の規制等に関する法律(以下「法」という。)上は3年と定められている。注意しなければならないのは、いずれも最後の返済期日(帳簿閉鎖の時)が起算点となる点である。つまり、取引が継続しているのであれば、10年以上古い取引であっても保存義務がある。10年以上前の取引だから帳簿が存在しないというサラ金は、法に違反している可能性が強いのである。(法19条は、法49条で罰則が定められている。)

 契約者が自分自身についての取引に関する帳簿の閲覧を請求することは、金融庁ガイドラインからも認められており、また信義則上サラ金はこの請求に応ずる義務があるというべきである。

 帳簿の閲覧請求に応じないサラ金業者に対しては、財務局等監督官庁に対しての行政処分の申立や訴訟を通じて文書提出命令を行うことが考えられる。

小澤吉徳


賃借権設定仮登記

 土地、建物などに対して短期(土地で5年、建物では3年以内)の賃貸借契約を結び、期間中に土地や建物などを居住などに利用できる権利(短期賃借権)は、抵当権が設定された後でも買受人に対抗できる。これを「短期賃借権の保護」という。

 金融業者が、債務者又は保証人の所有する不動産を担保とする場合に、抵当権や根抵当権の設定登記と、ときを同じくして「賃借権設定仮登記」や「条件付賃借権設定仮登記」が登記されている場合があるが、このような抵当権設定登記と併用されるものは担保目的のものが多い。その場合には、担保権が実行されて不動産が売却されると、売却の登記の嘱託とともに抹消されることとなる。(民事執行法2-1-2) また、仮登記名義人が抵当権や根抵当権の名義人と相違していても、差押の効力発生以前に用益を開始していない場合には、賃借権の取得をもって買受人には対抗できない。

 しかし、担保目的ではない実際の短期の賃貸借については、競売の買受人において引き受けることとなるので、そのために目的不動産の売却価格は相当程度下落して換価の妨げとなる。これを予防するために債権者によってなされるのが賃借権設定仮登記であるが、ほとんど意味のない登記である。

 債務者側から、債務不存在などで担保権の抹消を請求する訴訟を提起する場合には、同時に賃借権の仮登記権利者に対しても抹消を請求しておかなければならない。なお、代物弁済予約による所有権移転請求権仮登記も同様である。

岡田直人


提携弁護士・提携司法書士

 整理屋や紹介屋と提携するいわゆる提携弁護士は、東京の三弁護士会所属の弁護士を中心に120人以上は存在するといわれている。

 提携弁護士の事務所には、通常整理屋が入り込んでおり、紹介屋などから紹介を受けた多重債務者の債務整理事件は整理屋が中心となって処理している。このため、提携弁護士の事務所では、提携弁護士はほとんど多重債務者と面談しないか、面談するとしてもほんの4〜5分程度である。提携弁護士の事務所では、事務所経営の主導権も整理屋が握っていることが多く、提携弁護士には整理屋から顧問料名目で名義貸料(月額50〜200万円位が相場といわれている)が支払われている。

 日本弁護士連合会が、2000年10月1日より弁護士業務広告を原則解禁(自由化)したため、このところ提携弁護士の広告が激増している。

 現在、jrや私鉄・地下鉄・スポーツ新聞・夕刊紙・週刊誌などに出されている弁護士広告の大半は、「借金苦・ヤミ金苦解決」「一人で悩まず今すぐ相談を」「サラ金・クレジット・商工ローンの債務整理やります」「自己破産・個人再生手続・任意整理が専門です」というような債務整理を強調する提携弁護士の広告となっている。整理屋や紹介屋と提携する提携弁護士は、弁護士法27条に違反しており、2年以下の懲役または300万円以下の罰金となる。

 また、最近では、整理屋や紹介屋と提携する「提携司法書士」も出現してきており、このところ、債務整理を強調する提携司法書士の広告も目立つようになってきている。司法書士が簡裁代理権を取得できるようになり、任意整理を行うことも可能となったので、今後、提携司法書士がますます増加する危険性がある。

宇都宮健児


天引

 利息は、元本使用の対価であるため、本質的には使用した後で支払うものという性質を持つ。しかし、貸主は、貸付額面から利息を天引した額を貸付交付することを好み、力関係から借主もこれに従わなければ借りられない場合が多い。

 利息制限法2条は、正面から利息天引貸付それ自体を禁止する方法ではなく、利息後払いの計算結果と取得金利が同一となる計算方法を規定した。即ち、「利息を発生させる元本」は、利息制限法2条によれば「交付額」であり、内閣府令(旧施行規則)11条3項ただし書によれば「実際に利用可能な貸付の金額」であり、最判平成15年7月18日によれば、「借主が実際に利用することが可能な貸付額」でなければならない。そして同2条は、支払った超過利息を例外なく元本に充当すべきことを定めた。

 次に、約定弁済期日までの金利を既に天引した後に、別口の過払金が発生した時、充当されるか否かが日栄裁判で問題となった。この点についても、前記最判は、実際に利用した期間のみにつき利息を発生させる実質主義を採り、天引期間中弁済期前に、他の債務につき過払金が発生したときには、過払金は天引貸付の弁済期前であっても天引貸付の元本に充当され、充当後の元本は減額するとし、民法136条2項ただし書は制限超過利息の充当に関しては適用されず、この場合「債権者が期限まで利息を取得する権利」いわゆる「債権者の期限の利益」というものは存在しないことを明らかにした。

茆原洋子


特定調停

 サラ金等からの債務をかかえ、「支払不能におちいる恐れのある債務者の経済的再生(生活や営業の再建)に資する(役立つ)」ことを目的に、裁判所における「債務整理」の話し合いをする手続きのことである。 債権者1件あたり1000円未満の少額で、債務者本人でも簡単に申し立てができる。

 特定調停では、簡易裁判所で選任された調停委員が債権者との交渉にあたり、 (1)利息制限法の上限金利にそって、債務を再計算して債権額の確定 (2)3年から5年(36回から60回)までの分割弁済 (3)将来利息カット、の3点を原則として返済計画を作成するため、借金は減額できることが多い。

 債務再計算の結果、過払いとなる場合は「債務が存在しない。」ことを内容とする民事調停法17条決定が発令されるなど、生活再建のための有効な手段となっている一方で、簡裁の取扱いに違いがあり注意が必要といえる。

水谷英二


取立規制

 貸金という債権があるといっても、その取立方法は社会通念上相当と認められる方法によらなければならず、社会的相当性を逸脱すれば、民法上も不法行為として損害賠償の対象となる。

 そして、貸金業規制法では、貸金業者の取立規制を明文化しており、同法21条によれば、「社会通念上不相当な時間帯(午後9時から午前8時まで)の電話、fax、訪問による取立」、「正当理由なく、勤務先等居宅以外の場所への電話、fax、電報、訪問による取立」、「張り紙等で、借入の事実などを他人に明らかにすること」、「他の貸金業者から借りて払え等との要求」、「法的支払義務のない者への支払要求」、「弁護士、司法書士へ委任等した旨の通知後の、正当な理由なき取立」、「裁判所で民事手続をとった旨の裁判所からの通知後の、正当な理由なき取立」などが挙げられている。

 なお、これらの行為は「例示」であり、これら以外の行為でも社会的相当性を逸脱する不当なものは法的に許されない。

辻泰弘


取立禁止(面談・交渉禁止)の仮処分

 取立方法が取立規制に違反するなど違法な場合には、民事訴訟によって、慰謝料等の請求が可能であるが、民事訴訟を提起しても判決が出るまでその取立が止まない恐れがある。

 仮処分は、民事訴訟の判決前(あるいは提訴前)であっても、その取立を裁判所の決定でやめさせる措置である。

 この仮処分は民事保全法に基づくものであるが、その要件としては、「被保全権利の存在」と「保全の必要性」がある。

 この場合の「被保全権利」(守るべき権利)は取立を受けている人の「人格権」とされており、「人格権侵害」と言えるような、執拗な面会要求や重大な名誉毀損的な取立があったことなどが必要とされている。

 他方、「保全の必要性」(仮処分を求める必要性)については、人格権の侵害と言えるような取立が引き続きおこなわれる可能性があれば認められると思われる。

辻泰弘


取引履歴の開示請求

 サラ金の約定利息は、年率25%から29%前後であり、利息制限法所定金利である年率15%から20%(元本10万円以上100万円未満であれば年率18%)を大きく上回る。

 利息制限法所定金利以上の利息は原則無効であるので、債務整理を開始するにあたっては、まず今までの取引を全て利息制限法所定金利で引き直し、債務額の確定をしなければならない。引き直し計算を行うことによって、債務の圧縮が図れるだけでなく、取引年数が長ければ、過払い金が生じていることもあるからである。

 しかし、契約者が今までの領収書や契約書を全て保管していることは通常ほとんどなく、サラ金業者が保管している取引履歴の開示を要求することになる。サラ金に対しては、貸金業法、金融庁ガイドラインもしくは信義則に基づき、開示要求を行うことが多い。なお、サラ金業者によっては、平成15年3月3日の最高裁決定に基づき、取引履歴の開示を拒む業者もいるが、当該決定は、取引履歴の開示義務について何ら判断されたものではないことを付言しておく。

小澤吉徳


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