任意整理 任意整理とは、多重債務に陥って返済が困難になった場合に、弁護士又は司法書士に依頼して業者と交渉し、支払い金額や支払い額を協議して、改めて返済の約定を定めることである。 裁判所の手続を経ないので、交渉や和解の内容に法的な規制はなく、借主の返済能力に応じた弾力的な解決が可能である場合が多い。しかし、あくまで業者の承諾が必要であり、話し合いによる解決ということができる。相手方業者の中には、すでに引き直し計算で過払いが生じている場合には、任意整理の一環として返還請求を行って他の債務の返済に充てることもでき、過払案件がある場合には有力な解決方法となろう。 任意整理の利点としては、簡便な手続で早期の解決が可能であり、毎月の返済額も減額することができる。また、調停のような裁判所の手続ではないので、返済が滞っても直ちに強制執行をされることはない。しかし、支払い総額を利息制限法所定の利率の金額まで減額することは可能であり、将来利息もカットまたは減額できても、一括返済などの特殊な事情がある場合を除いて、それ以上の減額は困難である。 また、和解後に支払い不能となった場合には、再度破産手続を行うこととなり、当初より破産を選択することにくらべて二重の手間と、結果的に破産であれば不要であった返済をしなければならなくなるので、選択には慎重な配慮が求められる。 岡田直人 |
根抵当 根抵当については、民法398条の2から22までに規定されている。根抵当権とは、将来発生し、かつ増減する不特定の債権を、一定限度まで担保するために設定される抵当権をいう。当座貸越契約・継続的手形割引契約などの銀行取引、メーカーと特約店との間とか、卸売商と小売商と野間の信用取引などに古くから用いられてきた。古くから判例法が形成されてきたが、昭和46年に実定法として制定された。問題はこの根抵当権を貸金業者が別掲「根抵当権設定登記」の如く悪用するところにある。 板根富規 |
根抵当権設定仮登記 根抵当権(別稿参照)の設定契約をすると、銀行など正規の金融機関ではすぐに登記をするが、商工ローンの場合にはそのような条件をつけると保証人のなり手がいなくなるため、設定契約書など登記に必要な書類には隠して(騙して)署名捺印をさせるが、そのまま登記をしないことが多い。 しかし、弁済が遅れたりすると、貸金業者はすぐに設定登記を申請してくる。本登記を申請する場合には、発行後3カ月以内の所有者の印鑑証明書と所有権登記済証(権利証)を添付しなければならないが、権利書を預り、3カ月毎に印鑑証明書を徴求する業者がいるが、このためである。 保証人の権利書を預ったり3カ月毎に印鑑証明書を徴求すると、保証人のなり手がいなくなるため、sfcg(旧商工ファンド)が始めた脱法行為が「根抵当権設定仮登記」である。「仮登記」とは、順位を保全するため(担保権は登記の受付順序で優先順位が決まる)だけにする登記であり、登記申請に添付する印鑑証明書の期限がなく、権利書も添付しなくてもよいため、保証契約をした時点に印鑑証明書と登記承諾書を徴求すれば、「いつでも」仮登記が申請できるのである。 しかし、根抵当権の仮登記では、訴訟を起こして本登記にしなければ競売実行ができないため、仮登記をされても直ちに実害が出るわけではないので、仮登記をされたからといって業者の言いなりに支払う必要などはまったくない。(これは不動産に対する仮差押も同様である。) ただし、その不動産を担保として金融機関から融資を受けることの障害となるので、保証人(不動産の所有者)が商工業者などの場合は大きな問題となる。 岡田直人 |
根保証 根保証とは、継続的保証と呼ばれることもある。主たる債務者が、債権者から借り入れするにつき、一定の限度額について、保証する契約を言う。特に商工ローン業者が、主債務者に対して、複数の根保証人を取ることが多い。主債務者が、勝手に借り入れた金銭について、限度額まで根保証人が責任を負担することから、気をつけなければならない。そのため、貸金業法の改正により、新たな貸付がなされた場合、債権者は、根保証人に対して通知する義務が課された。 継続的保証には、銀行取引の保証とか、賃借人の保証人等がある。 尚、根保証人の責任については、身元保証ニ関スル法律の類推等により、責任を軽減する法理があり、いくつかの判決が出されている。 板根富規 |
年金担保融資 国民年金や厚生年金等は、社会保障制度として私たちの生活の拠り所となるものである。従って、譲渡したり、差し押えたり、担保に供することが各法律によって禁止されている。児童手当や失業等給付等も同様である。 しかし、高齢者や障害者などの社会的弱者をねらって、これらの公的給付を担保にとって貸付を行う違法融資が全国的に広がっている。これが「違法年金担保融資」といわれるものである。 業者は、貸し付ける際に年金証書や年金の振り込まれる通帳、印鑑、キャッシュカード等を預かり、受給者の年金を直接管理し取得する。また、最近は、受給者の口座に振り込まれた年金を自動引き落としの方法で取得する業者も増加している。このような取立て方法は貸金業規制法第13条2項にも違反するものである。しかし、罰則規定がないために野放し状態となっているのが現状であり、一刻も早い罰則規定の制定が求められている。 生活の糧を取り上げられたため、食事の回数を減らしたり、ホームレスとなったり、その被害は悲惨で深刻である。被害を見つけたら速やかに専門家等に相談して救済する必要がある。 関井正博 |
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